伊RCD《ナポリのホロヴィッツ》M. ティーポ幻の復帰後初録音のシューマン作品集N.M. お買い得品

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Robert SCHUMANN:Davidsbundlertanze, op. 6Sonata n. 2 in sol minore per pianoforte op. 22MARIA TIPO, pianoforteRCL 27008PRODOTTO DA DISCHI RICORDI SpA
イタリアの誇る世界的女流ピアニスト、マリア・ティーポ(Maria Tipo; 1931年12月23日 ナポリ~ )は1949年再度ジュネーヴ国際コンクールに参加し優勝を果たしているが、既にその前年の1948年、芳紀まさに十七歳で同コンクールに参加し一位無しの第二位を受賞している。1950年代に欧米楽壇を中心に華々しい活躍を繰り広げ300回余のコンサートを開き、世界屈指の女流ピアニストとして令名をはせ『ナポリのホロヴィッツ』との異名で呼ばれるほどであったが、1960年始めに結婚を機に引退してしまう。そしてその後十数年に亘る雌伏期間を経て楽壇復帰し、1977年、復帰後の最初のセッション録音としてシューマンの代表的名作、《ダヴィッド同盟舞曲集》と《ピアノ・ソナタ第2番》を録れたのが茲に出品した一枚である。しかしその後CD復刻されず、また作品も再録音されることもなかったことからファンの垂涎の的となって国内外オークションで探求されている幻のLPである。ちなみに彼女は後年、シューマン作品では《交響的練習曲》《子供の情景》《花の曲》をCDに録れている。
このLPについて故三浦淳史氏が音楽之友社の宣伝誌《音楽の窓(1962~1982)》に彼女の経歴とともに紹介した記事(1979年)の切抜きが出品者の手許にあるのでその一部を引用させて頂こう。「マリア・ティポのこと ~23年ぶりにディスクに復帰した女流ピアニスト~ ・・・先日レコード店の輸入盤コーナーで、レコードを摘んでは離し、離しては摘んでいたら、ラヴェンダー色のジャケットにMARIA TIPOと印刷してあるじゃないの。付けてある値段も格安だったし、何しろ”マリア・ティポ”という名前がどうして、お気になってしょうがないので、我が家のアルヒーフ(押入れ)をかきまわすこと二時間十五分、出てきた、出てきたーちょうど二十三年前の一月にニューヨークのタウン・ホールでリサイタルをもったときの彼女の若い娘むすめした新聞写真が(カットにお目にかけてあるのが、そうです)。当時のマリア・ティポは、イタリアの生んだ飛びきりの才媛ピアニストとさわがれ、”女ミケランジェリ”とまでいわれたものだった。(中略)リコルディのジャケットには、マリア・ティポのカラー写真がのっている。書棚をバックに鍵盤に向かっている彼女はブリュネットの髪を肩まで」垂らし、眼をつむって眉間に皺を寄せ、口もとを軽くあけて忘我の境に入っているらしいが、イタリア人らしいローマン・ノーズが鋭く細い顔の輪郭のなかで際立っている(⇒添付ジャケット写真参照)。それは、女流アーティストとしてチヤホヤされてきた顔ではなく、人生の辛酸をなめた顔である。(後略)」
当稀覯LPはコレクターが秘蔵していたものかレコード店の棚に放置されていたものなのか不明だが盤面には使用された痕跡は全くみられない。一方、ジャケットは僅かながら経年の傷み等がみられるが破損、滅失、書き込み等は皆無である。。

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